阿賀町津川で毎年5月3日に行なわれている、つがわ狐の嫁入り行列。

狐に扮した白無垢姿の花嫁が108 匹（人）のおともを連れてまちを練り歩く行事で、花婿とともに狐火に送られながら渡し舟に乗り麒麟山に向かうクライマックスは実に幻想的です。

今年は残念ながら中止が決定していますが、新緑まぶしい津川を訪れ、銘菓を味わいながら、次回の開催に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

3代にわたって続く津川の菓子店、きりん堂の『狐の嫁入りもなか』は、つがわ狐の嫁入り行列にちなみ初代が開発したもの。

一般的に最中といえば小豆を使った黒いあんのイメージですが、『狐の嫁入りもなか』の中身は白あん、しかもその中にはゴマと小豆が粒々と入っています。

「関東からも注文をいただくのですが、このあんは珍しいと言われますね」と２代目の野潟勉さん。

自由な発想でのお菓子作りをモットーとする洋菓子部門L.P.S を担う3代目の野潟澄孝さんは「人と違うことをするのが好きな家系だからかな」と笑います。

白あんはあっさりとした味わいで、中に入ったゴマや小豆のプチプチとした食感が楽しく、隠し味の塩の効果もあり、ぺろりと食べられます。

10年ほど前、最中皮の模様とパッケージをしゃれた雰囲気にリニューアル。

「若い人にも受けると思います。ぜひ味わってほしいです」と澄孝さん。

ぜひどうぞ。