「西巻流」とは、いかなる流儀か？
創始者は西巻孝氏。御年65歳。
新潟の名だたる人気店の数々でメニュー開発にかかわり、革新的なラーメンを生み出してきた新潟ラーメン界のレジェンドだ。
「もう40年もラーメン作ってきたわ」と自嘲気味に笑う西巻氏が長い旅路を経て、極めたテーマが「煮干し」だ。

煮干しラーメンによくある、魚粉を使ってどろどろとした粉っぽいスープ（業界用語で〝セメント系〞というとか）ではなく、サラリとした飲み口。
その理由は、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシの3種の煮干しを合わせて独自に開発した「煮干しペースト」。
これが、鶏ガラベースの漆黒醬油スープに溶け込むことで、飲みやすさと、ガツンと感じる煮干しのうまみの両輪を実現した。

オーダーが入ると、スープを一杯一杯鍋で温めてから丼に注ぎ入れて提供。それによって煮干しの風味がさらにしっかりと感じられるとか。
麺は中太麺より若干細め。なるほど、このサラサラスープにはこの太さがベストマッチと実感した。他にはない独自の味。
まさに「西巻流」な、他とは一線を画す『煮干しらーめん』なのでした。

『煮干しちゃーしゅうめん』（950円）には分厚いチャーシューが8枚。
「不器用だから薄く切れないんですよ(笑)」と西巻さんは笑うのでした。