新型コロナウイルスが私たちに与えた影響は計り知れないが、ときとしてうれしい副産物を生み出すようで。
今回紹介する担々麺もそう。
実はこれ、ワインバーで提供している一杯なのだ。

古町通りに店を構えて16年目のワインバーTSUBAKI。
オーナーソムリエのマスターがセレクトしたワインを求め、新潟のワイン通が夜な夜な集う人気店だ。

マスターが考案したこだわりの料理はさまざまあるが、試行錯誤の末に完成した担々麺を
常連さんに出してみたところ大ウケだったとか。
そんななか、ウイルス禍がお店の経営をひっ迫させる。ならば、とこの担々麺を表舞台に上げ、同店舗でラーメン店をスタート。
起死回生の業態変化だ。
汁あり、汁なし、の2種の担々麺は評判を呼びラーメン通が集うことになった。
具材と中太麺を混ぜていただく『九条ねぎ汁なし担々麺』は刺激的な辛みとさわやかな山椒の香りのバランスが絶妙だ。特製のゴマダレ、肉味噌、そして九条ネギ、カイワレを中太麺と混ぜて食す。シメの小ライスは無料だ。

いまや担々麺をきっかけに来店し、ワインのおいしさに目覚めるお客もいるほど。「ウイルス感染症が収束したとしてもラーメンは続けたいですね」とマスターはにっこりだ。