新潟県民にとってイチゴといえば、越後姫。
毎年旬になると当たり前のように食べている人も多いかと思いますが、実は県外ではほとんど見かけない品種だって知っていましたか?
知っているようで知らない越後姫のこと。
今回は新潟県農林水産部食品・流通課 白井 敏樹さんにお聞きしました!
白井さんは越後姫のおいしさをもっと県外の人に知ってもらうため、日々さまざまな取り組みを行なっています。
そもそも越後姫という品種はどのように開発され、どのように育ち、味わいや食感にどんな特徴があるのか。
さっそく教えてもらいましょう!
おいしくてかわいい「新潟県のお姫さま」
「新潟県では長らく『宝交早生』という品種のイチゴが主流でしたが、1980年代中頃に九州や北関東などで新品種が開発され、人気を博していました。新潟県でも同じ品種の栽培を試みましたが、日照時間の少なさからうまくいきませんでした。そこで新潟県では、1988年に自分たちの気候に合った新品種の開発に着手したんです」。
春に旬を迎える品種を目指し、さまざまな交配を重ね、6年かけて誕生したのが越後姫です。
「可憐でみずみずしく新潟のお姫さまのようだ」と命名されたそう。
「出荷は11月頃から始まり、4 〜5 月にピークを迎え、6月まで続きます。雪国の気象条件のもと、養分を蓄えながら2ヵ月かけてじっくり熟す越後姫は大粒で甘みが強いです。また、香りが芳醇で、果肉がジューシーなのも特徴ですね。ツヤがあり、全体に赤色がまわっているものを選ぶとおいしいイチゴに出会えますよ」。
今では新潟市、新発田市、五泉市を中心に県内全域で栽培され、毎年1000トン以上が出荷されるけど、そのほとんどが県内消費なんですって。
「実がデリケートなため、今まではあまり県外に出回らなかったのですが、専用のパッケージを用いることで長距離輸送が可能になりました。これからはもっと県外の人たちに向けて越後姫のおいしさを発信していきたいと思っています」。
いかがでしたでしょうか?
毎年何気なく食べている越後姫について少し知ることができましたね。
きっと今年は越後姫が今まで以上においしく感じますよ。