創業60年を迎えた今年、『ミシュランガイド新潟2020特別版』で二つ星を獲得した兄弟寿し。
この快挙は、ひとえに店主・本間龍史さんの真摯な姿勢が結実した結果と言えるでしょう。
花街の風情を今に残す新潟市の古町通9番町に店を構える兄弟寿し。
その2代目店主である本間さんは、1982年生まれ、新潟市出身。
東京で江戸前ずしの技術を学び、2011年春に帰郷、店で腕を振るい始めます。
しかし当時の兄弟寿しには、本間さんが幼い頃に父から聞いていた華やかな店の面影はなかったといいます。
「酔っているお客さんばかりで、修業の成果をまったくいかせない状況でした。店を再興したい__それが亡くなった父への親孝行にもなると思いました」。
2016年に店を改装。
入口を古町通り側から小路側に移し、店内もL字型の白木カウンターが印象的な明るい空間となりました。
これと同時に、提供スタイルをすしと料理計20品ほどで構成するおまかせのコースに変更。
さらに〝全国から取り寄せた食材で握る江戸前ずし〞から、徐々に食材を〝新潟産〞にシフトしていきます。
「東京には国内、海外から食材が集まる。そこと同じ土俵で勝負する難しさを僕は知っています。東京、全国の有名店と肩を並べる、勝つためには…と考え、うちにしかできないすしを握るしかないというところに行き当たりました」。
新潟、佐渡の鮮魚店、漁師と時間をかけて密接な関係を築き、今では9割を新潟の魚でまかなうまでに。
そこにひと手間、ふた手間を加え、最上級のネタに仕上げています。
さらに妙高産の米『笑みの絆』をはじめ、他の食材もほぼ新潟産です。
ちなみにご飯を炊く際には妙高の湧き水を使用。
コースの最後に提供される村上紅茶をいれる際には、村上の酒蔵・大洋酒造の仕込み水を使用するという徹底ぶりです。
「お客さんに新潟を感じて帰っていただきたい。今後その幅も深さももっと出していけたら。最終的には、兄弟寿しのために新潟に行こうと思ってもらえる店にしたいです」。
今後は上越方面の食材に注目していきたいと本間さん。
本間さん、兄弟寿しの進化はまだまだ続きそうです。
なお、現在は13,000円(税抜※価格は仕入れにより変動)のコースのみの提供。
18時からと21時からの一斉スタート(入れ替え制)になっています。
年末までの予約は埋まりつつあるとのこと。
行きたいと思ったら、とにかく早めに予約を入れるのが賢明です!
Information
兄弟寿し(きょうだいずし)
- 住所
- 新潟市中央区古町通9-1461-1
- 電話番号
- 025-224-9581
- 営業時間
- 18:00~/21:00~(一斉スタート・入替制)
- 休み
- 日休(月が祝の場合は営業、月休)
- 席数
- 9席
- 駐車場
- Pなし
- 備考