店主の山本さんは全国から食材を探し、気になる地鶏があればすぐに取り寄せ、自身の目と舌で厳しくチェックする。実際にお品書きとなって登場するのは2〜3割ほど。
素材選びから始まり、串打ちや炭起こし、焼き加減、塩加減など、すべての工程においてとことんこだわるその姿には「ひたむき」という表現が似合う。
焼鳥はその時々によって表情が異なり、決して同じものはできないという。なぜなら炭への風の通し方、湿度や天候、そして肉の素材や厚みなど、すべてにおいて同じことはないから。それらすべてを踏まえた上でコントロールしながら焼いていく。
焼き上がった串は、まさに「作品」だ。「串に刺さっている状態でも躍動感があり、まるで生きているかのようにきれいに見せたいんです」。例えば、『鶏レバー』(下写真・120円税抜)は艶やかでぷりっとした質感。まさにその表現がぴったりだ。
山本さんは昨年まで、焼鳥にとらわれず料理全般の研究のため、東京をはじめ全国にある名店と言われるお店に足を運び、さまざまなことを体感してきた。昨今の状況もあるが、今はその期間を終え、これからは自分自身がどうあるべきかを探求していきたいという。
そんな、すべてのことに対して真摯に向き合う人だが、とても謙虚で話しやすいので、敷居の高さを感じたり、身構える必要はない。「カップルやファミリー、ビジネスマンの方々などさまざまな方々に楽しんでもらいたいですね」。
おすすめは、カウンターに座って「おまかせで」と注文すること。まるでコース料理のように一本一本目の前に登場する串を、素早く口の中へ——そんなひとときを楽しんでほしい。
Information
串焼きとこころ 克
- 住所
- 新潟市中央区春日町7-21
- 電話番号
- tel.025-250-1228
- 営業時間
- 17:00〜23:00
- 休み
- 日休(月が祝日の場合は営業。月1回日月連休あり)
- 席数
- 24
- 駐車場
- なし
- 備考