古町に店を構えてから3年。県内で獲れた地魚を極力使うことに注力し、選りすぐったネタによる本格派の江戸前ずしをコース仕立てで味わえる店として注目を集めているのが鮨 はたけやまです。

食にこだわりを持つ大人たちを中心にファンも多く、取材の間にも予約の電話がたびたび鳴ります。「お客さんとの会話を大切にしたいんです。魚についてなど、楽しい話をしながら食べるほうがおいしいですから」。そんな大将の思いから、わずか6つのカウンター席がこの店のメインステージ。そこに座ると、最初に季節の食材を使った温かいお椀が登場。まずはお腹を少し温めてもらい、次からの料理を一番よい状態で味わってもらうための心配りです。それを皮切りに自家製塩辛や低温調理のカニなど旬の一品料理、そして主役のすしへと続く至福の時間がやってきます。

シャリには佐渡産コシヒカリを使用。特注の赤酢を酢飯に使うのはすしとお酒のマリアージュを大切にする大将のこだわりです。ネタについても新潟の海で獲れた魚を積極的に使うというこだわりはもちろん、日々の仕入れによって変わる旬の魚が一番うまくなるように惜しみない手間をかけていくのが信条です。例えば、これからの時期においしくなる佐渡産の寒ブリは2週間熟成させてから提供します。「お店からの帰り道にお客様が『すごくいい時間を過ごせたね』と満足していただけるよう、すべての面でできる限りの準備とおもてなしをしています」。

カウンターに座り、大将の鮮やかな包丁さばきを眺めながら、次々に出されるすしと種類豊富なお酒を味わうのは実に贅沢で、大人ならではの楽しみと言えます。