五常は五津川、沢海、月岡で営業し、多くのファンに愛されたそば店、天手古舞の味を継ぐ店。

福島県山都町にあるそば農家から直送される特別な石臼粗挽き粉を使って打つ、艶やかで透明感のあるそばは、コシのある豊かな風味を堪能できる逸品だ。

カウンターで腕を振るうのは金子真太郎さん。天手古舞での経験はもちろん、すし・懐石、割烹など県外で和食の腕も磨いてきた実力者だ。

「都内ではそばとお酒を楽しむスタイルのお店がいくつもありました。新潟でもそんな楽しみ方を伝えられたら」と、帰郷を機に五常をオープン。

当初はそばをはじめ、お酒のアテになる料理は、お造りや焼物、煮物などシンプルな料理
が中心だった。しかし、現在はコース利用のお客さんがほとんど。

「例えば、普段利用しているお客様から、大切なゲストをお連れする際に
『事前にこんなお料理が食べたい』とリクエストをいただくことがあります。そういった声に応えていくうちに料理人としても成長し、お店が変化していきました。いずれはコース料理のみにして一品一品を洗練させていきたいです」

コースでは写真のように、女ガニとそば米を合わせるなど、金子さんならではの一品を楽しむことができる。「料理の内容は毎日仕入れる食材によって変わります。このスタイルで営業できているのも、お客様の支えと信頼があってこそ。その日のベストなお料理を提供できるのは、コースならではだと思います」。

コースは料理のみ5,000円（税抜）から「一軒で満足していただける店を目指しています」と金子さん。和食をたっぷり楽しんだら、最後はそばでシメたい。