バターでソテーしたイチジク。そこにラム酒を加え、さらに生クリームを──
こんなレシピを聞かされるとレストランでのデザートを思い浮かべてしまうが、何とその素材と白あんが出会い、寿屋の『いちじく饅頭』が出来上がる。
明治38年創業の寿堂は代々さまざまな銘菓を作り続け、それを現代に受け継いでいる新発田を代表する和菓子店。
手作りのあんと地場産の食材を使うというこだわりを持ち続け今に至っている。
現在は4代目の鈴木健太郎氏が店を切り盛りする。
父である3代目が考案した『のしいちじく』は五十公野産のイチジク──日本の在来種で蓬莱柿(ほうらいし)という品種に砂糖を加え煮詰め、寒天を流し入れ冷やし固めた、イメージ的には羊羹だが、錦玉(きんぎょく)という菓子だ。
これは全国菓子博覧会名誉大賞など数々の賞を獲得している。
同じようにイチジクを使い、これまで存在しなかった新たな饅頭の世界を切り開いたのが4代目の作る『いちじく饅頭』だ。
「若い方に食べていただけているのが何よりうれしいですね。生チョコを入れた『助太刀もなか』もですが、新たなものを作る場合、あえて和菓子のクラシックをベースに、そこに洋のテイストを加えた、洋菓子屋さんには作れない和洋折衷のお菓子を作りたい」と話す。
研究熱心な老舗和菓子店の若き主のチャレンジに注目だ。
Information
菓匠庵 寿堂(かしょうあん ことぶきどう)
- 住所
- 新発田市大手町4-1-16
- 電話番号
- 0254-22-2831
- 営業時間
- 9:00~19:00(日は~16:00)
- 休み
- 不定
- 駐車場
- なし
- 備考