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全国最年少の蔵元社長が人と人とをつなぐ日本酒を醸す

  • 情報掲載日:2020.03.21
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

日本酒業界はもちろん、いま全国の日本酒好きから注目を集めている人物が佐渡市にいます。両津港からも近い、天領盃酒造の代表取締役社長を務める加登仙一(かとうせんいち)さん。

大学時代に1年間スイスに留学
大学時代に1年間スイスに留学

2018年3月に弱冠24歳で全国最年少の蔵元社長となり、以来佐渡島で酒造りに没頭する日々を送っています。千葉県出身の加登さんは、大学時代に1年間スイスに留学をしました。海外から自国を見た時、日本特有のお酒である日本酒に興味を持つようになり、自分の思う味の日本酒を造ることを志すようになったのです。「帰国後、日本酒を本格的に調べたのですが、自分のような若い世代の日本酒への評価があまりにも低いことに気づきました。加えて国内での日本酒の消費量が減っていることも知ったのです」。日本酒を取り巻く現状を知ったことが、彼の日本酒を造りたいという気持ちを後押ししました。「性格上、組織に入って仕事をするのではなく、自分の裁量で、自分がおいしいと思える日本酒を造りたいと思いました。そういう意味で、酒蔵の経営者になることを目標に据えました。それにはまずは経営のことを知らなきゃいけない。いろんな業種の経営者に会える仕事って? と考え、証券会社に就職したのです」。

大学卒業後、新卒で都内の証券会社に入社。約1年半の間に積極的な営業活動をし、多くの経営者に会ったそうです。ある時、そのなかのひとりに「自分の思い通りの味わいの日本酒を造りたい。でも、新規で酒類等製造免許を取得するのは法律的に困難だし、どうしていいか迷っている」と話した加登さん。「その社長さんが“新規での免許取得が難しいだけでしょ? M&A(企業の合併・買収)という手段で経営権を取得することもできる。そうすれば君が納得のいく酒造りができるのでは”と言ってくれたのです」。
休日を利用して全国15ほどの酒蔵を視察し、そのなかで自分のやりたいことに一番近づけそうだったのが佐渡市の天領盃酒造でした。後継者がおらず次の経営者を求めていた酒蔵と、自分の思う味の日本酒を造りたいと思っていたひとりの青年――互いの意志が合致し、自力での資金調達を経て、無事に買収が完了。

2018年3月、加登さんは晴れて天領盃酒造の代表となりました。
経営状態が決してよいとは言えないなかでのリスタートは、自分の酒造りに対する考え方を社員みんなに伝えることから始まりました。就任から2年近くが経ち、社長の考え方が浸透。蔵で働く人たちの気持ちは今まさに
ひとつになろうとしています。

雅楽代(うたしろ)
雅楽代(うたしろ)

昨年5月には加登さんが自ら手掛けた新しい銘柄『雅楽代(うたしろ)』を発売。「2019年には広島県にある酒類総合研究所で酒造りについて研修を受けたり、県外の蔵に出向いたりして多くのことを学びました。その甲斐あって、今年の『雅楽代』は昨年に比べて味がまとまってきたと思うし、バランスが取れた味わいになりました」。

「お酒は人と人とをつなぎ、コミュニケーションを円滑にする力を持っています。みんなが笑顔で笑い合っている空間や、誰かと誰かが本音で語り合っている瞬間――その傍らに日本酒があればそれでいいと思うんです」。

26歳の全国最年少蔵元社長のチャレンジは、まだ始まったばかり。だが、うまい酒を造るために傾ける彼の並々ならぬ情熱は、必ずや佐渡、そして新潟を日本酒という面から盛り上げていく大きな力になるはずです。

Information

天領盃酒造
住所
佐渡市加茂歌代458
電話番号
0259-23-2111
リンク
天領盃酒造公式サイト

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