いただきものか、外出のついでに甘党の父が買い求めたのかは分からないが、
家には時折カステラがあった。
箱を持つとずっしりと重く、中からひと切れ取り出しほおばるとほろりと崩れ、濃厚な甘みが口に広がる。
それはやはり、はり糸のカステラだった。
明治6年創業。
新潟で初めてカステラを焼いて150年。
五代目社長の池さんに、新潟でカステラと言えば“はり糸”と言われ愛され続ける秘訣をうかがった。
「そんなものはありません(笑)…特別なことは何も…基本に忠実に作っているだけ。小麦粉、砂糖、米飴、卵——鶏卵は厳選した質のいいものを多く使って焼き上げています。あと、これは理念みたいなことになりますが、父や祖父に”お腹いっぱいでも手を伸ばしたくなるお菓子を作りなさい“と言われました。昔は店にケーキやおかきを並べた時代もありました。でもウチは何が得意なのかを考えて“はり糸と言えばカステラ”に重きを置くことにしたんです」。
ココア、抹茶、卵、小豆の『カステラ四姉妹』や越乃寒梅・別撰を使った『地酒カステラ』。『よもぎ』や『ほうじ茶』などの季節限定のカステラも。
店頭に並ぶ『切り落とし』も隠れた人気商品。
古町へ出掛けたら買い求めたい銘菓がカステラだ。
「はり糸は古町になきゃいけない店だと思います。古町に大きくしてもらいましたから」
と感謝の気持ちを忘れない。
Information
はり糸
- 住所
- 新潟市中央区古町通5-618
- 電話番号
- 025-228-4471
- 営業時間
- 9:30〜19:00
- 休み
- 無休
- 駐車場
- 契約駐車場あり
- リンク
- 古町通5番町商店街 はり糸
- 備考