「おめさん、ちと、砂糖を入れ忘れたんでねぇんだか? と言われたこともあったと聞いています。
おじいさん(初代・澤山兵二郎)は、「いや、何さ、そんげことねぇわね」って答えたらしいんですよ(笑)」と笑顔で話す、さわ山四代目の小針嘉代子さん。
取材にお邪魔したのは朝9時。話をお聞きしている間も、お客さんがひっきりなしに訪れる。
お目当てはここの『大ふく』だ。
東京で大福が流行り出した大正初期。今も大体がそうだが、大福と言えば、皮がぽてっと厚くあんの甘い大福が主流。ところが初代はその逆を考えた。
「そう、あっさり味のあんを薄皮で包んでいるんです。小豆は北海道産を使っています。手よりした厳選小豆ですから粒が大きいんですよ。見た目も味もしっかりしています。加えるのは砂糖だけ。余計なものは一切使いません。あんを食べる大福とよく言われますが、新潟産のもち米を使った柔らかな薄皮で包むからウチの『大ふく』になるんだと思います」。
しかし、この『大ふく』、人気ゆえ、買いに行ったが残念ながら売り切れだったとの経験をお持ちの方も多いはず。
ならば朝一番に行けば…との思いも納得がいく。
「いや、それだけじゃないんですよ。『大ふく』は朝作るんです。だから早いうちに食べていただく方がおいしいんです」。
早起きは三文の得。一度は食べていただきたい銘菓だ。
Information
さわ山
- 住所
- 新潟市中央区夕栄町4513
- 電話番号
- 025-223-1023
- 営業時間
- 8:00~18:00(商品がなくなりしだい終了)
- 休み
- 火曜定休
- 駐車場
- 6台
- 備考