辛口の酒を醸す酒蔵として知られる阿賀町の麒麟山酒造。
30年ほど前から地元米に力を入れ始め、今年ついにある念願がかなったという、情報をキャッチ!
代表の齋藤さんに酒造りへの思いや、麒麟山酒造の最新ニュースを伺いました。
まずは、麒麟山酒造の代名詞的「辛口の酒」について。
「今まで地元を中心に日常的に親しまれてきたお酒が、飲み飽きない辛口の味わいでした。日々楽しめる〝いつもの麒麟山〞であり続けたいと、普通酒に力を入れています」と齋藤さん。
お話を聞くと、実は辛口の酒にしっかり的を絞ったのは先代の頃からなんだとか。
「甘口ブームの時代に、先代の父は味を変えるか悩んでいました。その際、『酒は辛いもの』という祖父の言葉で父の迷いはなくなったそうです」。
スイーツやファッションなどと同じく、日本酒にもその時代によって好まれる味があったのです。齋藤さんのお父様の代は、甘口が好まれた日本酒ブームの全盛期。日本酒造りの盛んな、灘・伏見の酒が業界を席捲していた頃だったといいます。そんななかでも、辛口の味わいを貫いたとは大きな決断だったのでしょう。
さらに、先代は地元米での酒造りにも尽力しました。1995年に阿賀町と近郊の農家を対象に奥阿賀酒米研究会を設立し、酒米の栽培を開始。原料米の一部として活用。そして、そのバトンは7代目の齋藤さんへ受け継がれました。
「受け継いだ当初は収量が少なかったですが、仕組みの見直しや新設したアグリ事業部での生産により、格段に増えました。そして、今年ついに奥阿賀産の原料米のみでの造りが叶ったんです!」。
出荷量5500石規模の蔵元が全量地元米で造りを行なうのは、全国的にも非常に珍しいといいます。何十年とかけて、ここにたどり着いたのは非常に素晴らしいことなのだと、お話から伝わってまいりました。
「五百万石、越淡麗、たかね錦を生産し、全量賄えるようになりました。蔵人たちも今年度は特に気合が入っているようです」。
今年の麒麟山酒造の製造部門はとにかく話題が豊富!
まずは、杜氏の長谷川さん。「越後流酒造技術選手権大会」という各蔵の杜氏が自社醸造の吟醸酒を持ちより、 技術力を競い合うコンテストで第一位の新潟県知事賞を受賞!実は昨年も同賞を受賞しており、 2年連続受賞は 34 年ぶりの快挙なんだとか。
また、2018年春には蔵元初の海外出身スタッフの受け入れを行ないました。蔵人として製造を担う 台湾出身の張育誌(ジャン・ユイジイ)さん。 将来、故郷で日本酒ビジネスを 立ち上げるべく、酒造りを学んでるんだそう。ほかにも、広報でアメリカ人のスタッフさんが在籍しているとのこと。
造りの技術力、蔵元全体の勢いともに高まっている麒麟山酒造。
最後に、齋藤さんからは「地元のお米だけで造ったお酒に今後はすべて切り替わるということで、国内外で注目していただけると思っています。今まで以上に、奥阿賀地域の魅力を地酒で伝えたいです」と意気込みを頂きました。今後の麒麟山酒造にご期待を!
Information
麒麟山酒造
- 住所
- 阿賀町津川46
- 電話番号
- 0254-92-3511
- リンク
- 麒麟山酒造の公式サイトはこちら