長岡市三島地域にある中川酒造の社長・中川雅史さんにご登場いただき、酒造りから蔵人のことまで根掘り葉掘り教えて貰いました~!
知らなかったあんなことや、こんなことが聞けるかも!?
「明治21年の創業当時、現在の代表銘柄である『越乃白雁』は違う名前だったんですよ」
衝撃的なところから話始める社長。
そ、そうだったのか!
こちらが、その「越乃白雁」。以前の名前を聞いてみますと・・・。
「以前の名前は倭泉(やまといずみ)と言います」。
「越乃白雁」は、昔この近くにあった沼に雁が飛来したことが由来です。古くから、この地域は蔵の裏手にある西山連峰から流れる清水の恩恵を受けてきた水の町です。酒蔵などの醸造メーカーが多く、隣には製麺屋さんがありますよ。私たちにとって、この水は大きな財産です」
よい水が湧くところによい酒あり、ということですね。その水がなんとも神秘的という噂を聞いていた編集部は、お願いしてその水を見せてもらいました。
南国リゾートのビーチに来たような気分…(*´Д`)
なんと美しいのでしょう! 白いホーロータンクに注がれていることで、その清らかさがより一層際立ちます。まさに神秘の水。
酒好き編集部C。超レアなものを目にしてテンションが上がってまいりました(笑)。酒米についても教えてくださーい!
「米は全量県産米を使い、精米も自社で行なっています。酒米の越淡麗の一部は、今年引退した前杜氏の吉岡が与板で栽培したものです。米造りから精米、仕込みまで一貫して管理できるので、その年採れた米の特徴を蔵人全員で共有し酒造りを行なっています」
前杜氏自ら米造りを行ない、精米まで行なうとはよほど米にこだわられているようにお見受けします。
「はい。うちでは、定番酒でも精米率60%の米を使っています。これは、吟醸酒並みの精米率といえます」
ろろろろろろくじゅっぱー!?
なんちゅう贅沢な。
酒米は米粒の中心部分にある「心拍」という部位に近づくように削るほど、上品な味わいで、香り豊かになるといわれております。
精米率90%はほぼ米の形をしていて、これは普段私たちが食べている白米の精米率。酒米の精米率の定番は約70%前後となっています。
そんななか、4割も削った米を定番酒に使うなんて・・・。
アメージング!
ちなみに精米歩合60%以下から吟醸酒、50%を下回ると大吟醸酒と削れば削るほど、そのお酒のランクは上がっていきます。
「贅沢に米を使った、おいしいお酒を地元の皆さんに普段から楽しんでほしいという思いでこの精米率を貫いています。この米とさきほどの水を使って、当蔵が守るのがスッキリとした飲み飽きしない‟きれいな酒”です」
その心意気に惚れそうです。はい。
そういえば、先ほど杜氏さんが引退されたと聞きましたが、新たな担い手はどのような方になったのでしょう?
「長年当蔵に勤め、18年間杜氏を担った吉岡の後任として、製造部長に就いたのは月橋という蔵人です。40代で製造の先頭に立つのは若い方ですが、当蔵で15年のキャリアを持ち、経験・知識ともに豊富な頼れる存在です」
確かにお若い。その年齢で年上の方々を引っ張って酒造りを行なうのは、プレッシャーもあるのでは?
「あぁ、うちの蔵人は全員で4名おりますが、みな30・40代なんです」
うえええええええ!?
想像以上に若いぞー( ゚Д゚)
水に続きまして、普段は会えない蔵人さんにも集まって頂きました。
この秋の造りから、蔵人の平均年齢はなんと38歳に!
さらに今更ながら・・・・
「僕も今年、社長に就いたんですよ」
中川さん、爆弾落としまくりです。もうすべてにびっくり。
中川酒造、一気に若返りました。(吉岡さん、ごめんなさい)
「3年前になりますが、この若手たちだけで醸した日本酒ブランド『越乃 碧』というお酒の新作が9月から発売します。今までは酸味のある速醸造りという手法で造っておりましたが、今年は伝統的な山廃仕込みで醸したお酒です。芳醇な味わいで、コクのあるお酒になっています。山廃仕込みのお酒は、当蔵として初となるので、今までと少し違った味わいを楽しんでいただけると思います」
創業して130年を節目に大きな変革を迎えた中川酒造。
地元に愛される酒造りに神髄に取り組む姿勢はそのままに、ホットなニュースで私たちを楽しませてくれる酒蔵でした!
【問い合わせ】
中川酒造
tel.0258-42-2707