世界各地で食べられているカレー。日本でいえば、インドカレーと欧風カレーが
主流になると思うんだけど、さて、それぞれ何がどう違うんでしょうか?
インドカレーと欧風カレーの人気店に聞いてみました。
インドカレーについて教えて頂いたのは、南インドの五つ星レストランで料理長を務めた凄腕の料理人・タニカさん。現在は新潟市西区にあるインド料理ナタラジャというお店でシェフを務めています。
タニカさん、さっそくインドカレーの特徴を教えてください!
「欧風カレーには小麦粉を使って、インドカレーには使わない。そこが一番違うところかな」。
インドカレーの基本的な作り方を聞くと、「玉ネギを強火でしっかりと炒めて、色が変わったらトマトとスパイス、具材を加えて煮込めばできあがり。基本的な家庭料理なら、10 〜 20 分もあれば作れるよ。具材は野菜や豆が多いね。野菜だけでこのうまみが出るの! とびっくりされることも多いよ」。
なるほど~( ..)φメモメモ と感心していると、でもね、とタニカさん。
「北では菜種油やギー(インドのバター)、南ではココナッツオイル、東ではマスタードオイル…と料理に使われる油ひとつとっても違う。それにスパイスも違うし、合わせる主食も米だったり、小麦を使ったナンやチャパティ、パラータだったり。インドカレーとひと口に言っても、地方によって全然違うんだよ。それもぜひ知ってもらいたいね」。
イタリア料理のように、インド料理も地方によって味付けや使う食材が違うんですね。これはおもしろい。
欧風カレーについても、聞いてみましょう!
教えてくださったのは、東京での移動販売を経て、地元・新潟に欧風カレー食堂jizi ジジをオープンした店主の岡崎智浩さん。
岡崎さんいわく、欧風というけど実はヨーロッパに「欧風カレー」なるものは実在しないそう。
「19 世紀ころにインドからイギリスに伝わったカレーが、日本海軍の横須賀基地に伝わったという説が有力とされています。明治初期にはすでにカレーのレシピが確立し、国内の洋食店や西洋料理店で提供されていました。日本で独自の進化を遂げ、外食でも家庭でもスタンダードなメニューとなった欧風カレーは日本の国民食と言えますね」
インドカレーとの違いを聞くと、大きくふたつ上げられると言います。
「まずは、小麦粉でとろみを付けていること。もうひとつは、味の軸となるカレー粉があることです。数種類のスパイスを配合して作られたカレー粉をベースに、作り手が目指す味に必要なスパイスを加えることで個性が生まれます。ほかにも、バターや生クリームなどの乳製品を使ってまろやかさを出したり、ワインを隠し味に使ったりといろんな工夫ができるのも魅力ですね!」。
いままで、なんとなくしか知らなかったカレーの定義。
とっても勉強になりました。
いろんなカレー屋さんに行って、個性を楽しんでみましょう!