シェフとしてのキャリアは決して長くない。フリーペーパー編集者を経て、料理の道に入ったのは26歳の時。
「経験の短さゆえの劣等感」を振り払うように新宿のイタリア料理店をはじめ、県内外の料理店でひたすら研鑽を積んだ。
イタリアに渡り出合ったのが「トスカーナ地方のマンマの味」。
「旬の素材を使うこと。決して派手ではないが、中身のある暮らしに密着した味だということ。それが温かな感動を生むということ。自分が大切にしている味の条件です」。
現地で出会ったイタリア人は料理歴など気にしなかった。
フリーペーパーを作っていたという古関さんを「おもしろいじゃないか」と認めてくれた。
「料理以外で得た経験や考え方はかけがえのないもの。今では僕の大きな武器であり自信になっています。だから店と料理を、いつも俯瞰的に見て柔軟に変えていくことができます」。
また、「食材の味は生産者の人柄で決まる」と、出会い、話し、尊敬できる作り手から仕入れている。
『江南区ロイアルヒルホルスタインズ新潟ブッラータチーズのカプレーゼ』(1540円税込)には、新潟市江南区横越で3代続く酪農家が古関さんのためだけに作ってくれる希少なチーズを使用。
クリーミーで濃厚なチーズの風味をフレッシュな野菜が引き立てる。
「お客様から『おいしい』と言われると『生産者さんにお伝えしますね』と答えます。
みなさん自分のことのように喜んでくれる。自分は素材の味に手を添える料理人。イタリアで学んだことです」。
〝主役にならなくていいシェフ〞の店では、「食と共に生きる」というトスカーナの文化や暮らしを、料理を通して体感することできる。
Information
LA CUCINA LIBERA(ラクチーナリベラ)
- 住所
- 新潟市中央区米山2-2-5・1F
- 電話番号
- 025-369-4876
- 営業時間
- 11:30~LO13:00/18:00~LO21:00
- 休み
- 不定休
- 席数
- 20
- 料金
- 客単価:昼1,500円、夜5,500円
- 駐車場
- なし
- 備考
- ※予約推奨