来年2024年で、結成から40年。今やベテランバンドの域に達した感のあるPERSONZだが、そのロックスピリットはいまだ衰える気配なし。

むしろ、声出しもOKとなりようやく以前のライブ環境に戻った今こそ、彼らの音楽に託す思いはより伝わる状況になったと言えそうだ。

現在開催中のツアー「I AM THE BEST TOUR 2023」の一環で、今週8/11（金・祝）に新潟LOTSに登場するPERSONZのフロントマン、JILL（Vo）に現在の心境を聞いた。

音楽には、気持ちを奮い立たせる力がある！

●5月から始まった今回の全国ツアーもいよいよ終盤戦に突入。各地で大いに盛り上がっていると聞きましたが？

そうですね。今回は、久々に行く土地もあるし――函館なんかは12年ぶりでしたし――日常にライブが戻ってきた感じもあるので、各地での盛り上がり方がすごくて！　いろんな曲を一緒に歌ってくれたりとかするし、「やっぱりみんな、ライブに来てこの臨場感を味わいたいんだな！」って思いながら、やっていますね。

●やはり、生のライブが放つパワーは違うっていう。

ええ。（コロナ禍では）配信とかもやりましたけど、アレは（生のライブのようには）伝わらないですよね。音楽には気持ちを奮い立たせる力があると私は思っていて――それはやっぱり、配信と生では全然違う。そもそも、同じライブという場でも、やる時期が違えば（オーディエンスには）歌詞の内容も違って聴こえるものだと思うんです。『DEAR FRIENDS』（※1989年発表のPERSONZの大ヒット曲）にしても、昔なら「青春時代の友達に会ってないなぁ。会いたいな」って思いになるような曲だったところが、人生経験を重ねてきた今聴くと、友達よりももっと大きな、人間同士が生きている中で繋がる絆みたいなことを歌った曲に聴こえたりとか、そういう変化はあるだろうな、と。だからこそ、各地で今聴くPERSONZの歌に、みんなが喜んでくれたり、感動してくれたりする――それぞれの思いでより深く向き合ってもらえる場にライブはなっていると感じます。

●と同時に、何より、そのライブへ向かうPERSONZのモチベーションがいまだ落ちていないのも素晴らしいと感じますが？　年齢の話をするのもなんですけど、メンバーの平均年齢は60歳を超えたにもかかわらず…。

でも今は、60歳になっても定年とか隠居してっていう時代じゃないしね（笑）。「（歳をとっても）何もできないおばちゃんにはなりたくない」と言った有名な方がいるけど、私もそう思っていて。ウチのメンバーも「辞めない美学」みたいなことをずっと言っていたんだけどバンドでツアーをまわすのが自分たちのやりたいことだという欲求は消えることがないので――。また、私の場合は特に、「人がやってないものをやろう、マネできないものをしよう」というのが原動力だったりするし。だから、幸い、メンバーも元気でいて、バンドをやれる状況でいる以上、それをやらないってことは考えられない。今までも、そしてこの先も、自分の職業は歌だと思っていますから。

●なるほど。まさにPERSONZでいることが自然であると。

はい。年齢的な面で言うなら、このままずっと続けられるかどうかは分からない――もし誰かひとりが、叩けない、弾けない、歌えないってなったら、もうパーソンズではなくなるとは思う。そういう意味では、これが永遠に続くわけじゃないってのは思うんだけど、だからこそ、健康でバンドに向かえるうちは、やらない選択肢はないっていう。もちろん、そのために日々鍛えていく必要はありますよね。やっぱり年齢とともに声域とかも変わったり、声の太さや強さみたいなものがよくも悪くも落ち着いてきたりする…と言われてますけど、それは結局鍛えてないからで、やっぱり日々トレーニングするっていうのが必要で！　だから私は鍛えているし――私の場合は、遅ればせながらでしたけど、40代になってからボイトレ（ボイストレーニング）のいい先生を見つけて、その方の指導もあってか、今はいろんな声が出せるし、歌い手としてのテクニックも広げることができて。それがようやく今、還暦を超えてからうまく歌えるようになった自負はあるから、なおさら「もっとライブをいっぱいやりたい！」と思う自分もいて（笑）。しかも、各地でPERSONZの歌を一緒に楽しもうとしてくれている方がいる以上、いろんな場所に出かけて行って、密接な関係を作っていきたい感じはしているんですよね。

●8月11日の新潟ロッツ公演もまた、そのひとつであるという。

そう！　新潟は、個人的にもご縁がある土地だし、去年もライブをやらせてもらったり、PERSONZにとっては大事な場所です。でも、同じロッツのステージに立っても「去年のロッツと今日は違うよね！」と分かるようなライブにしたいと思います。というか、そうなりますよ、絶対に！　それこそ、精神的なバランスとか体調、肉体的なものにも左右されないプロフェッショナルが4人いますので、本当にその瞬間瞬間で、ベストな演奏をお見せできると思います。ぜひ期待していただいて、一緒にいろんな歌をうたえるライブにしたいですね！

今回のライブはPERSONZの代表曲も多数披露される予定で、熱心なファンはもとより、初めてPERSONZのライブに行くって方も含め、「やっぱり音楽って、いいよなぁ！」と感じられる時間になることは確実。
また、メンバーの渡邉貢（Ba）と藤田勉（Dr）は新潟出身というご縁もある。
開催は今週金曜日と間近に迫ったが、ぜひ新潟のロックファンには注目してほしいライブだ。

PERSONZ・JILL（Vo）の動画メッセージはこちら！