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初共演で話題! Noism×鼓童『鬼』記者発表に行ってきました

  • 情報掲載日:2022.04.26
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

りゅーとぴあの専属舞踊団Noism Company Niigataと、佐渡を拠点に活動する太鼓芸能集団 鼓童。
新潟から世界へ向けて同時代の創作を続ける両集団による、「新潟発の新作」での初共演がついに実現します!

なぜ彼らの共演が実現することになったのか、そしてどんな公演になるのか――。

世界初演を7月に控え、りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督、Noism Company Niigata芸術監督の金森穣と、太鼓芸能集団 鼓童のメンバーで鼓童音楽担当の石塚充、そして新作の作曲を手掛けた作曲家・原田敬子が参加しての記者発表が行なわれました。

会見は、金森による今回の公演の経緯の説明からスタート。

きっかけは、2年前のNoism活動継続問題だったと言います。

金森穣(りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督、Noism Company Niigata芸術監督)
金森穣(りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督、Noism Company Niigata芸術監督)

「活動継続が決まっていなければこれが新潟におけるNoismの最後のプログラムになっていたんです。新潟をテーマにした作品を作るなら今だろうと。同じタイミングで鼓童代表の船橋(裕一郎)さんと対談したことも影響していますね。新代表を迎えた鼓童、来シーズンから新体制となるNoism――共演するなら、お互いにとって有意義で挑戦になる「新曲」で臨みたい。そこで2年前に富山県利賀村で開催されたシアター・オリンピックスで共演し刺激を受けた原田さんにお願いしました」。

原田敬子(作曲家)
原田敬子(作曲家)

新作の作曲を手掛けた原田は、
「演奏者の体の内部が変わるような、これまでの慣習ではできないような曲を目指しています。今回出演する鼓童のメンバーは20代半ばから後半が中心の新世代。彼らの体が変容してしまうような挑戦ができないかなと作曲に取り組みました」と話します。

石塚充(太鼓芸能集団 鼓童)
石塚充(太鼓芸能集団 鼓童)

鼓童の石塚は、初共演となるNoismの印象を語りました。
「結成当時からいちファンとして注目していました。同じく新潟から世界に向けて活動している、身近な憧れの存在。いつか同じ舞台に立ちたいと思っていたのでうれしいです」。

また原田が「彼ら(鼓童メンバー)の体が変容してしまうような挑戦ができないかな」という思いを持って創作に取り組んだという曲については、
「史上最高難度の曲。目を白黒させながら必死で練習していますが、その分得るものも多いはず。魂を込めて作られた曲に、魂を注ぎ込んでいるところです。新しい曲が生まれているという感じです。早く観てほしい」と話しました。


その後、登壇した3人は会場にいる記者とリモート参加者による質問に回答。

左から原田敬子 、金森穣 、石塚充
左から原田敬子 、金森穣 、石塚充

まず、タイトルの『鬼』について。
【原田】「鬼というテーマに至ったきっかけは鼓童の前身「鬼太鼓座」から。鬼について調べると、新潟には鬼にまつわる民話が多いんですよね。鬼というキーワードで新潟から世界へ発信する作品を作りたいと考えました」。
【金森】「この鬼は、いわゆる鬼ではないんです。鬼って、必ずしもネガティブな存在ではないんですよね。鬼をあえて家にとりこむ文化だってある。この作品も、決して鬼退治的な内容ではないですので(笑)」。
【石塚】「鬼は佐渡や鼓童のなかでは人々の暮らしに身近な存在。鬼は人間のなかのエネルギーを変化させ届ける役割なんです。まさに自分たちのことだなと。人間のエネルギーを人々の願いとして届けるような作品になるのでは」。

観る人に示したいことは、という質問には、
【金森】「新潟すげー!」
【石塚】「ストリーミングでいつでも誰でもどんなものでも観られる時代に、生身の体がひとつの空間に集まってものを作ったらものすごい体験ができる。それを楽しんでもらえるはず」。

記者発表が行なわれた日はNoism、鼓童による合同稽古の期間中だったことから、稽古を通して感じたお互いの印象についても質問が。
【石塚】「Noismメンバーが目の前で踊ってくれて興奮! 全力で取り組むさまを間近で目にして、(鼓童メンバーは)みんな度肝を抜かれていました。太鼓は元来真ん中で踊る人に音を届けるもの。これまで観客に向けて音を届けていましたが、「踊り手の体を通して音を届ける」という新しい体験をしていると感じています。若いメンバーの音の出し方が変わってきているのを見ると、おもしろい化学反応がこれからも起こりそうで楽しみです」。
【金森】「鼓童は表現、音への向き合い方が真摯だなと。Noismメンバーにも彼らの影響がもっと出てきてほしいと思いますね」。

また音楽について、「ビギナーはどう楽しめばいい?」という質問から、原田はことさら難しく考えられがちな音楽について
【原田】「この曲に旋律はなく、あるのはリズム。最初のリズムは心臓の鼓動。ゆがんだ3拍子のような。これは鼓童の由来(鼓動も由来のひとつ)から来ているんです。全曲にわたってこのリズムが登場します」
と曲についての秘密を明かしてくれました。

さらに金森も重要なヒントをポロリ。
「『春の祭典』と同じように、舞踊家ひとりひとりに音が割り当てられているんです。そのアンサンブルなので、メンバーは大変だと思いますよ」。

また演奏の難しさを鼓童・石塚は、
【石塚】「技術的に出したことのない音が多く、音自体も数学的に複雑に組み合わさっています。でも難しく演奏せず、呼吸するように有機的に表現したいですね。動きに当て込むことで立体的になり、気持ちよく感じてもらえるようになるのではないかと期待しています」。

難しさについて金森が続けます。
【金森】「7人の奏者が14本の腕でひとつの音を奏でる。14本の腕を持つ鬼が演奏しているようなものです。また舞踊家は14人。28本の手と足で踊ります。その難しさが想像できますか? …これは終演後に言おうと思っていたけど、原田さんが鬼だ!」。
とうまくまとめたところ(笑)で会見は終了。

左から原田敬子 、金森穣 、石塚充
左から原田敬子 、金森穣 、石塚充

またこの記事では触れていませんが、同時上演されるディアギレフ生誕150周年・ストラヴィンスキー『結婚』にも「鬼」という共通テーマがあるという話も出ていました。


さて、どんな公演になるのでしょう!?
楽しみは増すばかりです!

チケットは現在発売中ですが、残席僅少の公演も出てきているとか!
早めの手配がおすすめです。

伝説になることは間違いありません!
どうぞお見逃しなく!!

詳細は下記リンクよりどうぞ!

DATA

Noism×鼓童『鬼』
開催期間
※本イベントは終了しました。
7月1日(金)19:00 ~
7月2日(土)17:00 ~
7月3日(日)15:00 ~
会場名
りゅーとぴあ 劇場
会場住所
新潟市中央区一番堀通町3-2
料金
全席指定 : 5,000円
U25 : 3,000円
高校生以下 : 1,000円
問い合わせ先
りゅーとぴあチケット専用ダイヤル
問い合わせ先
電話番号
025-224-5521
備考

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