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【インタビュー】3つのデュエット作品を上演!振付家=Noism1の舞踊家3人が語る公演の見どころ

  • 情報掲載日:2026.02.19
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

りゅーとぴあ専属舞踊団Noism Company Niigataの研修生カンパニーNoism2(ノイズムツー)による定期公演が、3月6日(金)〜8日(日)にりゅーとぴあスタジオBで開催されます。

公演タイトルは『Three Duets in the black box』。
スタジオBという装飾を排したブラックボックスで、Noism2のメンバー5人が、3人の振付家が手がけた3本のデュエット作品を上演します。
振付を担当するのは、普段は舞踊家として活動しているNoism1メンバーの中尾洸太、坪田光、樋浦瞳の3人。
3人に今回の公演について、また自身が手掛ける作品について、話を聞いてきました!

左から坪田光、樋浦瞳、中尾洸太
左から坪田光、樋浦瞳、中尾洸太

中尾 洸太(なかおこうた)/愛媛県生まれ。ドイツの舞踊学校を卒業。在学中にスカラシップを受ける。2020年9月よりNoism1所属

樋浦 瞳(ひうらあきら)/新潟県生まれ。筑波大学体育専門学群卒業。2020年9月よりNoism1準メンバー、2021年9月よりNoism1に所属

坪田 光(つぼたひかる)/兵庫県生まれ。14歳よりダンスを始める。アメリカ留学を経て2019年9月よりNoism2、2021年9月よりNoism1に所属

 

デュエット作品
3本立て公演

ーー3人とも、『Noism1メンバー振付公演』や『Noism2定期公演』で振付をされてきていますが、出演者数は作品によってまちまちでしたよね。今回はNoism地域活動部門芸術監督の山田勇気さんから「デュオ(デュエット)で作品を創ってほしい」という指定があったそうですが、率直にどう思われましたか?

中尾:デュオかー、って(笑)。

ーーデュオと大人数の作品では、創り方に違いがありますか?

坪田:僕はデュオで作品を創るのが今回初めてです。大人数とデュオでは、使う頭が全然違う感じですね。大人数の方が空間で見せやすい気がします。デュオでの作品作りは、勇気さんから「ふたりで空間をどう扱うか」ということを課題として突きつけられているんだろうなと。大人数のなかのふたりの振りをつけることはできるけど、デュオの場合はふたりでしかない。難しいです。

樋浦:自分としては、限られた稽古時間のなかでひとりあたりに集中できる時間がすごく多いなって、去年(2025年の「Noism2定期公演vol.16」での振付作品『とぎれとぎれに』は6人が出演する作品だった)と比べて感じていて。なので、身体をどう使って欲しいかとか、その人の感覚的なところにすごく深く入って稽古することができているんじゃないかなと思ってます。人間関係の面でも、大人数で創るのと、ふたりと向き合って創るのでは、クリエーション中の空気感も違います。いろんな面で違いはありますね。

中尾:デュオは好きですよ。デュオが一番好きだと思う。というか、ふたりっていう関係が好き。人間関係の一番小さな単位だけど、無限の距離がある。僕が言うのもおこがましいんですけど、振付的な話で言うと、出演者全員にフォーカスするのは難しいから、だいたいひとり「リード」を立てて、そこにみんながついていくような展開になることが多いんです。でもデュオの場合、すべてをふたりで担わなきゃいけない。すべてを背負う覚悟が必要というか。そういう感じも好きです。

「僕の作ってきた作品のなかでも一番いいと思います。
今までの集大成って感じ」(中尾)

ーーNoism2メンバーは5人。上演作品はデュエット3本。となるとキャスト決めが難航したのではないかと勝手に想像していたのですが、どうやって決めたのですか?

中尾:ドラフトです。

坪田:本当にそう! それぞれで候補を出して、勇気さんがなるべくそれに近い形にしてくださったと。

樋浦:最初に「この人とこの人がいいかな」と思っても、ふたり並んでみるとちょっと想像と違ったりとか。それが 5人のうちで幾通りもあって、トライアルする時間を設けて、「このふたりかな?」「このふたりかな?」って、実際動いているのを見ながら考えたりしましたね。

ーーそれぞれでまずテーマを定めて、そこに合うメンバーを候補として出したんですか?

中尾:僕の場合、今回は「副産物」みたいな作品なので。「こういうふうな、これがテーマで、これを描きたいんだ!」っていうよりは、ただまっすぐ音楽に向き合っていたら生まれた副産物っていう方が近いんです。

ーーじゃあ、偶然引き合わせたふたりがとっても相性よく、いいように進んでいったと。

中尾:いや、もう「うまくいかせた」感じ! うまく相手を引き出して、強引に。僕がやりたいことをやってもらうのが振付じゃないと思っているんです。舞踊家はコンピューターじゃないし、僕がプログラミングした通りにやってもらうのがいいわけじゃない。だから、彼らがそこで成立するように、僕がどう引き出せるかを考えて、引き出したものをこう、うまくこねてこねて…という感じでしたね。

ーー現状(※取材時)皆さんの作品についてはプレスリリース(Noism Web Siteにも記載あり)の内容しか明かされていませんが、もうタイトルは決まっているんですか?

中尾:はい。僕の作品は『地平線のドーリア』。武満徹の楽曲のタイトルです。

ーー中尾さんは昨年の「Noism2定期公演vol.16」でもチャイコフスキーの曲をテーマにされていたとのことですが、創作において音楽を重要視されているのですか?

中尾:そういう作品もあるし、そうでない作品もあります。作家性というか、作曲家の音楽観とか、その音楽自体の持ってるパワーみたいなものに共感したり惹かれたりすると、その人の音楽と、自分をこう…こすりたくなります。

ーーこすりたくなる?

中尾:作曲家の作った音楽と自分がそれを聴いた時に何か生まれてくるものを、「研ぎ合わせる」じゃないけど、ジャーッてやりたくなる時に、音楽から作品を作ります。でも最近は、自分から出したいものだけを作るっていう感覚は僕の中にはあんまりないんです。自分のちょっと見えた景色と音楽をこう混ぜたりとか…。音楽を BGMにはしたくないし、僕の場合、音楽は今とっても大事です。(Noism芸術総監督の)金森穣さんのもとで活動しているからには、音楽っていうものからは離れられないと思います。

ーーストレートに聞きますが、『地平線のドーリア』はどんな作品になっていますか?

中尾:一番いいと思います、僕の創ってきたなかでも。今までの集大成って感じ。…集大成って言い方はあれかな…でも今まで創ってきたものの集合体というか、「積み上げてきたんだな、ちゃんと」って自分でも思いましたよね。

photo by Ryu Endo
photo by Ryu Endo

「身体はその生物が生きてきた瞬間、経験の
蓄積だということを表したい」(樋浦)

ーー樋浦さんの作品の説明を読んでいると、今回もこれまでもそうでしたが、「身体」という言葉がたくさん出てきますよね。樋浦さんにとっては身体というものが創作の源になっているということなのでしょうか。

樋浦:そうですね。やっぱり踊りなので、身体ありきで考えることになってるんですね、多分自分のなかで。今回の作品でいうと、生き物みんなそれぞれが唯一の身体を持っていて、その体で生涯をまっとうするということが決まっている。そういうことが出発点になっています。

ーー樋浦さんはどういうところから作品を創り始めるんですか?

樋浦:自分の場合は、誰に踊ってもらうかを決めたところからテーマが定まる感じですね。このテーマだったらこの音楽でいけるな、って。その音楽でそのふたりと自分で一緒に動いて、いくつか言葉でイメージを渡してインプロビゼーションしてみるところから組み立てていく感じですね。

--まさに「身体」というか、「その人」ありきの作品ということなんですね。ちなみにタイトルは?

樋浦:『A Mosaic of Moments』、瞬間の集積と言う意味です。モザイク画ってありますよね。粒がより集まっている絵です。身体はひとつの物体なんですけど、その生物が生きてきた瞬間、経験の蓄積だととらえて、そういうことを表したいなと思ってこのタイトルにしました。

photo by Ryu Endo
photo by Ryu Endo

「孤独、外に踏み出せない状況から、人と関わることで
自分という輪郭が変わっていく様子を作品に」(坪田)

--坪田さんの作品タイトルは?

坪田:『Island』です。自分の場合、創り始めるのは割とシーンからかな…。まず自分の頭の中に、一緒に作品を創りたい人がいるシーンが浮かぶんです。ポツンと立っている姿が浮かんで、そこからシーンがドワーッと展開していく。「なんでそんなことをするんやろう?」とか、「想像のこの人はなぜこんなに踊るんだろう?」とか「彼女と彼はなんでこんなにバチバチにやってるんだろう?」ということを詰めていくことでテーマが出てきます。自分がこういうふうに動いてほしいっていうのが最初に出てくるのかなって思います。

--そこから『Island』?

坪田:今回会場がスタジオBですが、もちろんここで踊ったことはあるけど、作品を創ったことはなくて(これまでの作品は劇場での上演だった)。スタジオBはブラックボックス。囲まれていたり圧迫感があったり…そのイメージから、まずは「孤独」が出てきたのかな。島も海に囲まれていて、ポツンとある。そこが重なったところから広がって、さらに「目の前に広がっているのに踏み出せない」とか、そこからもうひとりと関係し合うことで「自分」っていう輪郭が変わっていく様子とかを作品にしたいなと。

photo by Ryu Endo
photo by Ryu Endo

お互いの創作の仕方の違い

ーーここまでのお話で、それぞれで作品の雰囲気も創作の仕方も全然違うっていうことが分かってきたのですが、お互いの「こういうところがすごいな」とか、「自分と違っておもしろいな」と感じる部分ってありますか?

樋浦:自分からふたりに対して思うのは、作品のなかに「人間関係」があるということ。人がふたりいるってなったら「この人たちはどういう間柄なんだろう」とか想像するんですけど、そこに緊張感がある感じがなんかすごく…「(自分たちが)この場所(りゅーとぴあ)で活動してきたからこそだな」と。ふたりの作品には結構共通してるところがあるように感じましたね。

坪田:確かに人と人…人をテーマにはしているかな。(樋浦)瞳くんのは…なんやろな。

樋浦:(今回の作品では)架空の生命体をやってるんですよ。

坪田:ふたりでひとつじゃないけど、ふたりなんやけどひとつじゃなくていいというか…。

中尾:でも意地悪な言い方をするとさ、実際目に映るのはふたり人の人間で、架空の生命体には見えないわけじゃん。そこのギャップはどう埋めるの? 瞳のイマジネーションのなかの架空の生物っていうものと、お客さんが見て受け取るものっていうギャップーー作品っていう前提を介したとしても生まれる、リアルとイマジネーションのギャップとどう向き合ってるの?

樋浦:人の体でそれをやっている、挑んでいるから、「感じてほしい」というと違うかもしれないけど、「人の身体ってこんなことになるんだ」っていうふうに思ってもらえたら…。作品の受け取り方は自由でいいと思うんですけど、創っている自分としてはひとつ芯を貫いて創ってるつもりなので。こう見せたいっていうことは明確にはあります。

 

ーー中尾さんから見て、振付家・樋浦さん、坪田さんはどんな印象ですか?

中尾:僕の過去の作品って、似ているものが少ないんです。でもふたりには、割とこう、柱じゃないけど、何か芯があるなと感じますね。僕の場合は、その瞬間の空想・妄想・インスピレーション、人から受けるもの、降ってくるもの、音楽でワッて作るから、その瞬間の僕の中から出てきたっていうものになる。でも、ふたりはどういう精神状態にいても、スッと一本通っているものがあるのだろうなと。

坪田:僕は(中尾)洸太くんの舞踊家に対する接し方がうらやましいって、いつも思います。舞踊家を試している…試しているって言い方はよくないんですけど、信頼して、引き出して、そこから何を見るかみたいな手順が。自分にはできないですね、悪い意味で(笑)。僕は洸太くんの方が「これが見たい」っていうものがはっきりしてると思うんですよね。

中尾:悩まないからかな。「これ」「こうです」「そうじゃない」「うん違う違う」。そう、そんな感じだよね。

ーーそれは普段からですか? たとえば、ごはんを食べに行った時にメニューを決めるのも早い?

中尾:いや、めっちゃ悩みます(笑)。先に店員さん呼んで、呼んだら決めなきゃいけないって状況を作る。

坪田:自分は逆に、食べ物はすぐ決まるんです。これが食べたいって(笑)。

中尾:作品ができてからは悩むよ。でも、創ってる最中は多分悩んでない。悩むっていう行為をしない。

各人が語る
『Noism2定期公演vol.17』見どころ

ーー今回山田さんが公演全体の構成を担うとのことですが、3人の作った作品を順番に上演するだけじゃなくて、微調整をしながら3作品を連ねていくということなんですか?

樋浦:勇気さんがオープニング、エンディングっていうふうに、3作品の前後に並ぶものを創っています。この3作品の間にも、おそらくその雰囲気のトランジション(切り替え)が挟まる予定です。

 

ーーこの公演をこんなふうに楽しんでほしい、ここに着目するとおもしろいかも、僕の作品のこんなところを見てほしいなどを、おひとりずつお聞きしていきたいです。

樋浦:今回3人の3作品をやるんですけど、同じ舞踊家がふたつの作品を踊ったりもしているんです。作品によって彼・彼女たちの持っているものが違って見えるのがおもしろいと思います。

中尾:誰の振付作品かということにはあまり注目しなくていいと思います。逆に、観てみておもしろいかおもしろくないか、シンプルにそれだけ。おもしろくなかったらおもしろくなかったって言ってもらってもいい。僕は批判が結構強い方が進歩が早いと思っているので。踊りだからいい、Noismだからいいってわけじゃないと思う。深いことを考えずに、とりあえず観て、単純に感じたことをすくいとってほしい。

ーー今回の公演は舞台装置もないシンプルな空間で、デュオ作品という条件で作られるから、 3人の個性がかなり際立ってくるんだろうなと思うんです。それぞれのカラーを楽しめるいい公演になりそうですよね。

中尾:なので、とりあえず観に来てほしいってことです!

坪田:作品はもちろんですが、Noism2の公演ということに着目してもらいたいです。自分はNoism2に2年所属していたんですけど、Noism2の定期公演っていうのはNoism2にとって、それこそ舞踊家人生が変わるじゃないけど、その公演にどれだけ費やしたかっていうものがすべて出るものなんです。ぜひ全力のNoism2を観に来てほしいって思います。

 


『Noism2定期公演vol.17』はりゅーとぴあ スタジオBにて、3月6日(金)〜8日(日)の3日間、計4公演が行なわれます。

料金は一般2,500円とお手頃!
U25は2,000円、高校生以下は1,000円です。
若さあふれるNoism2メンバーの舞踊と、振付家3人の世界観、山田監督による構成の妙を、ぜひ会場でお楽しみください!

また、6日(金)には終演後にアフタートークを開催。
山田監督と3人の振付家がトークを繰り広げます!
別日程のチケットでもトークの入場は可能です。
こちらもどうぞお楽しみに!

 

なお、現在、3月7日(土)の14:00〜の公演のチケットは予定枚数終了し、若干分の追加席を販売中、初日の3月6日(金)19:00〜の公演も席が少なくなっているとのこと。

最新情報はNoism Web siteにてご確認を。

 

Noism2_©Isamu-Murai
Noism2_©Isamu-Murai

DATA

Noism2定期公演vol.17
開催期間
3月6日(金)19:00〜
3月7日(土)14:00〜/18:00〜
3月8日(日)14:00〜
会場名
りゅーとぴあ スタジオB
会場住所
新潟市中央区一番堀通町3-2
料金
全席自由(入場整理番号付) 2,500円、U25 2,000円、高校生以下 1,000円
問い合わせ先
りゅーとぴあチケット専用ダイヤ
問い合わせ先
電話番号
025-224-5521
リンク
Noism Web Site /Noism2定期公演vol.17
備考

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