古町で37年にわたり営業を続けるラ・フロリダ。

御年72歳、料理人歴52年というマスターの船塚清文さんは、大阪で初めてピザを提供したといわれる名店・FLORIDAで腕を磨き、その味を受け継ぎました。

メニューは、ピザとスパゲティをメインに、イタリア料理、フランス料理、スペイン料理など多彩。

どれもマスターがひとりで食材の仕入れから下ごしらえ、調理までをこなしています。

なかでも常連さんや男性から熱烈な支持を得ているというのが『スパゲッティ・ヴォンゴレ』。

自家製のガーリックオイルが味の決め手のスープスパゲティで、大ぶりな国産アサリがどっさり入っています。

たまたま居合わせた常連さんは、「フロリダはうまくて、早くて、いきいきと働くマスターから元気をもらえる」とその魅力を語ってくれました。

料理のおいしさもさることながら、話し上手なマスターの気さくな人柄がお客さんの心を掴んで離しません。

「確かにお金はいただいているけれど、家族にご飯を作る時と気持ちは変わらない。愛情、誠実さ、寛大さ、やさしさ、希望なんかも食材と一緒にフライパンで炒めてるんだ。毎日お店に立つのがなんだかんだ楽しいよ」とマスター。

店内を見回すと机や壁一面にびっしりとお客さんたちの写真が貼られていて、お店の愛されぶりは一目瞭然。

一見さんの来店も多く、世代や立場の垣根を超えて交流を楽しめる憩いの場としても、代えのきかない重要な存在になっています。