「キックボクシングやってたんですよ。日本一になるつもりでやってました」──新規独立した店長さんに取材する際の常套質問「どちらかで修業とかされてたんですか？」に対しての返答が、あまりにも想定外で、カキの風味が芳醇なこの塩油そばとの関連はどうしても結びつかなかった。

…で、なんで？　

店長の佐久間さん、その後不運にもパンチドランカーになり、その道を諦め、バイト先だった東京のラーメン店で働くことに。

その際に出会った「人生の師匠」の影響もあり、ラーメンの道を極めることに目標を転換。

そして２０２０年、自身の店の開店に至ったのだ。

佐久間さんが追求したのは、貝のうまみを極めること。

『貝塩ラーメン』が同店の看板メニューだが、この『牡蠣の塩油そば』は、塩ダレ油自体をカキの煮干しで味付けしたうえに、カキのペースト、カキのオリーブオイル漬けをプラスすることで、カキの風味が加速していくかのよう。

数種の塩をブレンドした複雑な味の塩ダレと弾力あるもちもち麺が絡み合う。

角切りチャーシューもナイスアクセント！

さらに、カキダシのスープも添えられ、つけ麺として楽しむこともできる斬新なスタイルだ。

「新潟ならではのラーメンを作りたい。目指すは、塩ラーメンで日本一を取ること…いや、世界一かな（笑）」