ディープな雰囲気漂う夜の古町にひっそりとお店を構える、完全予約制のフランス料理店。

扉を開けると、真っ先に目に飛び込んでくるアーチ型のカウンターは、まるでステージのよう。

非日常の空間に胸が高鳴ります。

その中で腕を振るうのは日本を代表するフランス料理の名店、オテル・ドウ・ミクニをはじめ、さまざまなジャンルの料理店で経験を積んだシェフの大海貴仁さん。

フレンチをベースにしながら、和食などの要素を織り交ぜた創作性の高い料理が大海さんの真骨頂で、食材とともに生産者の思いもひと皿に落とし込みます。

「食材のほとんどは新潟県産です。基本的に取引業者は決めず、その時々で最良のものを自分で仕入れています。料理をお出しする際には、食材の生産背景や料理法を説明して、生産者さんの思いも伝えるようにしています」。

用意されているコース料理は1種類のみ。

そのなかで提供される『ズワイガニの甲羅詰め』『越の丸ナスとウニのカクテル』は、素材の質感を大切にした美しい盛り付けが目を引きます。

「2ヵ月に1回コースの内容を変えていますが、毎回一番悩むのがテーマです。辞書や本、料理の論文などを読んで練って、その後にメニューを決めますが、ネットでヒットした既存料理は作りません」。

また、料理とともに日本、イタリア、フランスを中心に厳選したワインや日本酒を楽しむことができるペアサーブ（4 0 0 0円税抜）もぜひ利用してみてほしいです。

最後に今後の展望を大海さんに尋ねると、「新潟の飲食をレベルアップさせたいです。おいしいものやいいお店も揃っているので、食を通して県外からもっと多くの人を新潟に呼びたいです」。