村上名産の鮭を中心に、村上牛やカニ、フグなどを贅沢に使った会席料理を堪能できる村上の名店。

250年を超える老舗の看板を背負う山貝誠さんは実に11代目。

ミシュランで星を獲得したことでも知られる東京の名店、玄治店 濱田家で修業をした後に家業を継ぎ、料理人として腕を振るう一方、経営者としての顔も持ち、自社の発展、そして村上の食文化の未来をも見据えた仕事をこなしています。

「〝喜びを繋ぎ未来を拓く〞が私の考えた経営理念です。生産者さんからいただいた食材のポテンシャルを最大限にいかした料理をお客様に提供し、喜んでもらうのが料理人の醍醐味だと思っています」と山貝さん。

一度離れたからこそ分かる村上の魅力を尋ねると、「村上のように海、山、畑の食材がすべて揃う土地はなかなか珍しいと思います。それに、料理人と一緒に食材の価値を高めてくれる生産者さんが多いのも魅力のひとつです」。

質の高い食材が豊富に揃う村上では、秋〜冬にかけて鮭漁が最盛期を迎えます。

「頭から尻尾まで余すことなく使い切るのが村上の鮭料理です。この街に根付く命に対する深い感謝が感じられますよね」。

能登新では30種類以上の鮭料理をコースで提供していて、『白子豆腐ヒレ出汁薄くずあん 酢橘窯盛り』や『原木椎茸の鮭しんじょう きのこ見立て揚げ』は多様な鮭の楽しみ方を教えてくれます。

「先人たちが残してくれた郷土文化を受け継いで未来に伝えるのも料理人の役目だと思っているので、日々研鑽を積みたいです。社長としては、従業員のみんなが成長できる環境を整え、しなやかな企業にしていくのがこれからの目標です」と話してくれました。