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浅妻 信のサッカーフリークエッセイ

FOOTBALL JUNKIE【プラネタスワン】

新潟順位_13位 勝点23(6勝5分7敗)※6.21現在

  • 情報掲載日:2019.06.21
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

当時、満員だったスタジアムに通い詰めたサポーターは、「参加する」「ともに作り上げる」楽しみを共有していたような気がする。

2連勝を飾ったホームビッグスワンでの試合後、突如ライトダウンしたスタジアムのスタンドで、カラフルな光線がきらめいていた。
その日、テレビで観戦していた私は何が起きているのかよくわからない。
テレビカメラがズームしていくと、多くの人がペンライトを手にし、振り回して勝利の喜びに浸っている。
アルビのホームゲームでは、○○サンクスデーと称して、メインスポンサーを冠とするイベントがほぼ毎試合行われるが、そのイベントの一環としてスポンサーが提供したグッズだろうと思っていた。それにしては豪華(太っ腹)だ。
スタンドに挨拶をするフィールド上の選手達の手にも、いつの間にかペンライトが握られている。
ライトダウンしたスタジアムで、三波春夫の「世界の国からこんにちは」をモチーフにした勝利のチャント、通称「ハルヲスイング」にあわせて7色の光線がきらめき、選手、サポーターが一体となってスタンドが揺れる。原曲とのギャップと荘厳な美しさ。勝利の喜び。
なんなんだこれは!

その後、プラネタスワンというクラブ主導の企画で、しかも、というか当然かというべきか、ペンライトはスポンサーからの配布物でなく、有料で販売されているクラブオリジナルグッズであることを知った。値段は1620円(税込)。となると、あの夜、無数にきらめいていた光は、サポーターが自腹で購入したことになる。ついでにいうと、7色どころではなく、16色。恐れ入った。

案の定、試合後のSNSでは賛否の意見が飛び交った。平たく言えば、アイドルのコンサートじゃないんだから、サッカーの試合にそんなものは不要と渋面を作る保守層。
対して、「楽しい、綺麗、またやりたい」という新派。だが、私が見る限り、圧倒的に後者の意見が多いようだ。
例えば、小さい子どもを持つ、私の友人のツイートを、時系列でみてみると、試合前の
「1ヶ月くらい前まではアルビ観戦に行きたがっていた息子だが、最近は『弱くて負けてばかりだから行きたくない』と生意気を言う。今日はフリーだから連れていく。」
から、
「うちの子ども2人がペンライト大好きで、争奪戦をする。2歳の娘が7歳の兄にペンライトを取られて泣く。もう1個買うか。」
と劇的な変化を見せている。

言うまでもなく、アルビレックスの観客動員は、2005年~2007年をピークとし、そこから緩やかな下降線を描いているのが現実だ。
昔から応援をしているコア層に加えた、新しい層をつかみきれていないが現実で、ここ近年のクラブの課題であった。

ペンライトという発想は驚いた。
サッカーの試合を見るだけであったら、テレビでもかまわない。
当時、満員だったスタジアムに通い詰めたサポーターは、「参加する」「ともに作り上げる」楽しみを共有していたような気がする。

ちなみに、このペンライト、オフィシャルショップでも販売中だが、好評で一部欠品となっているようだ。
新しいファン層を獲得するだけではなく、収益面でクラブの財政を潤すウルトラCとなるだろうか。

さて、遅まきながら、下位相手とはいえ、そして不格好な形とはいえ連勝を記録したアルビ。
両サイドバックのほか、ボランチの選手も大胆に変え、戦術的にも吉永色がかなり強まってきた。
次のホームゲームは7月6日(土)のナイトゲーム。
舞台は整っている。

まずは、22日のアウェイ金沢戦に勝利し、3連勝として、一気に上昇気流にのっていきたい!

 

 

【浅妻 信】

新潟市出身。Jリーグ昇格時からアルビレックス新潟を追い続けるとともに、本業のかたわら、サッカー専門誌などに執筆している。さらにASジャミネイロの監督としても活躍中

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