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浅妻 信のサッカーフリークエッセイ

FOOTBALL JUNKIE【片渕監督電撃解任】

J2第9節終了時_10位/勝点12(3勝3分3敗)

  • 情報掲載日:2019.04.19
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

「吉永新監督の下、彼らの再生、そして攻守にアグレッシブな新潟スタイルの復活はあるのか。先発の入れ替えはあるのか―。」

ゴルフに興味がない人には申し訳ない。
先日、所用でサンフランシスコに行く機会があり、ついでということで、全米オープンが数回開催された名門コースでプレーする機会があった。日本のトッププレーヤーがアメリカで苦戦するというのはよく聞く話である。例えば芝の違い。ラフに入ると、強靱な芝に阻まれ、私のレベルでは全くボールが飛ばない。同伴した現地の人が教えてくれた。
「アメリカでは、ラフはペナルティですから」

昇格を目指すチームにおいては、勝ち点2を失う引き分けは、OBではないが、ラフに入れたと等しいミスである。

終了間際の劇的な同点弾で、岡山戦、山形戦と2試合続けて勝ち点1を拾う。難しいコースでラフにつけた。私レベルでは悪くない。だが、山形戦の翌日、昇格を目指すチームとして、2試合続けてフェアウェイを外したことを重視され、片渕監督が電撃的に解任された。

新潟としては、実に4年連続となるシーズン途中での監督交代劇である。

改めて成績を見ると第9節終了時で、3勝3敗3分。3敗しかしていないものの、順位が二桁に沈んでいるのは引き分けが3もあるからで、それは、昨シーズン終了後、総括の中で、片渕監督自らが、順位が上がらなかった要因として語っていたことである。

今季の新潟は、昨シーズン終盤の、片渕監督が立て直した戦術をベースに戦っていた。
まずは失点をしない固い試合運びの中で、シンプルにゴールを目指す。
J2という厳しいリーグを勝ち抜くには、昨年の松本山雅の戦い方を参考にした、ある程度リアリズムに基づいた戦いを指向する必要があったであろう。
それはJ1昇格というミッションを課せられた責任者として、当然、主要な選択肢となるはずだ。

ただ、個人的に難しかったのではないかと思うのが、今年から鳴り物入りで導入されたメソッド部門との整合性。
クラブの発表によれば、「アカデミー全カテゴリーを横断した統一育成方針やトレーニング方法を構築し、トップチームからサッカースクールまで一貫したアルビレックス新潟のスタイルを確立する」となっているが、今季の、引いた守備的な戦い方が、新潟のスタイルと定義づけられるのは、現場、フロントとも激しいジレンマがあったであろう。

最近は、新潟の戦い方も研究され、ボールの出所に激しいプレッシャーをかけられ、前線になかなかボールが収まらず、攻守が分断される姿が目についてきた。その空いたスペースを自由に使われ、ボールを保持され、ここ2試合で5失点。
頼みの堅守が綻びを見せ始めたことと、昨シーズン終盤からの上積みがないということで早めの決断となったのであろう。
もちろん、監督交代の決断が遅れた、過去3年の経験から来たのはいうまでもない。

片渕監督にとって、誤算だったのは、攻撃の中心に考えていたレオナルドをはじめとする外国籍選手が、負傷や、戦術の理解が進まず、主力として計算が立たなかったことであろう。
外国籍選手が上位に並ぶ、J2の得点ランキングを見ても、色々な選手が点を取っているというと聞こえは良いが、チームの最多得点者がわずか2点では、得点力不足は否めない。
過去を振り返っても、新潟の攻撃を支えてきたのは、優秀なブラジル人選手であったのは否定できない事実だ。

吉永新監督の下、彼らの再生、そして攻守にアグレッシブな新潟スタイルの復活はあるのか。先発の入れ替えはあるのか。新監督交代後、トレーニング等の情報が遮断されているだけに、ヴェルディ戦は注目の一戦となる。

 

 

【浅妻 信】
新潟市出身。Jリーグ昇格時からアルビレックス新潟を追い続けるとともに、本業のかたわら、サッカー専門誌などに執筆している。さらにASジャミネイロの監督としても活躍中

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