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新潟ロケ地FILE

【新潟ロケ地FILE Vol.8 『飛べ!ダコタ』】今から72年前に佐渡で本当に起こった話を映画化

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  • 情報掲載日:2019.01.25
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。

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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
新潟フィルムコミッション協議会 フィルムコミッションのアドバイザー。(2008年〜2017年9月はフィルムコミッション コーディネーターとして従事)

「映画で新潟を盛り上げよう!」という思いから、映画、テレビドラマ、CMなど、新潟県内においてのロケ撮影を誘致・支援する団体。実際のロケをスムーズに進めるためのサポート業務などを行なっている。

田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。

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年頭にご紹介するのは、佐渡で起きた実話を映画化した『飛べ!ダコタ』です。

 

今から72年前、佐渡で起きたこんな出来事を皆さんはご存知でしょうか?

 

ーー昭和21年1月14日、太平洋戦争の終結からわずか5ヵ月後のことです。一機の飛行機が佐渡にある高千村の海岸に不時着しました。それは、通称「ダコタ」と呼ばれるイギリス空軍の要人機で、上海の英国総領事を東京まで送る途中で悪天候に見舞われてしまい、やむなく不時着したんです。

そこへ真っ先に駆けつけたのが、その光景を目にしていた森本千代子という女性でした。つい半年前まで敵国であり、その戦争で家族を失った者や帰らぬ息子を待つ者など、さまざまな想いを抱く島民たちでしたが、村長である千代子の父親が考えあぐねた末に、「困った者を助けるのが、佐渡ん人間(さどんもん)だ」と決断し、国境を超えた友情と絆を育み「ダコタ」を再び大空へと飛び立たせたのです。

 

ーーこの実話。素敵な「人間愛」を感じませんか?

 

新潟県民としてはとても誇りに思う出来事でよすね。そしてこの絆は、今でも佐渡の人々の心に生き続けていたんです。「この事実を風化させてはならない」と願う地元の人々の働きかけによって映画化が実現しました。

 

 

そして写真にもあるように、映画のメインとなる「ダコタ」は、なんとタイから同型機を移送して復元したんです! 実は世界中を探したらしいですよ。

 

佐渡の素浜海岸にはオープンセットが作られ、「ダコタ」が実際に不時着した時期の1月〜2月、そして同年の11月〜12月の極寒のなかでロケが決行されました。

 

世界中を探してやっと見つけた同型機です。貴重です
世界中を探してやっと見つけた同型機です。貴重です
撮影用の飛行機なのでもちろん操縦はできません。だから移動はみんなの力で
撮影用の飛行機なのでもちろん操縦はできません。だから移動はみんなの力で
撮影が終ったしばらくの間、佐渡の素浜海岸に展示されてたそうです
撮影が終ったしばらくの間、佐渡の素浜海岸に展示されてたそうです

 

そしてロケ時で私が印象に残っているのは、海岸に敷き埋める滑走路用の石を作ったことです。佐渡の子どもたちが新聞紙を粘土状にしたものを丸くして模型石を作ったんです。そのおかげもあり素晴らしい滑走路ができました。これはぜひDVDをチェックしてみてください!

 

約1年半もの間、佐渡に滞在して準備をしたスタッフ、そしてエキストラは佐渡の方を含めのべ2,500人。数えきれないほどの熱い協力を得て撮影が進み、この映画は奇跡的に完成しました。まさに「佐渡ん人間」の映画となったのではないでしょうか。そして、監督はじめ、関係者は毎年佐渡を訪れ、今も熱い交流が続いているそうです。

 

そして映画のノベライズ本『飛べ!ダコタ 銀翼の渡り鳥』(東邦出版)は2013年に出版され大好評でした! 著者は新潟市在住の作家、石坂智惠美さんです。

 

 

著者の石坂智惠美さん
著者の石坂智惠美さん

『飛べ!ダコタ』を観たい方はDVDで!

●新潟ロケ地
佐渡島内(素浜海岸、春日若宮神社、高千地区、沢根地区、外海府地区 ほか)

●作品『飛べ!ダコタ』(2013年公開)
監督:油谷誠至
出演:比嘉愛未/窪田正孝/柄本明 ほか
販売元:オデッサ・エンタテインメント
価格:DVD3,800円+税 ほか

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